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=======je pense , donc je suis.========
文藝評論家・山崎行太郎のメールマガジン『毒蛇通信』
2004./5/24/
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■編集メモ■
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■小泉政権の政治的危機を救うために?

 小泉総理は、またまた突然の北朝鮮訪問、キム・ジョンイルとの首脳会談、そして蓮池・地村夫妻の五人の子供たちをともなっての凱旋帰国という、大きな政治的な賭けに出た。例によって、この国際的イベントは、誰が見ても明らかなように、自らの年金未加入の発覚や、民主党党首の交代(強敵・小沢一郎の登場?)という、いわゆる小泉政権の政治的危機を隠蔽するための国際的な猿芝居にすぎなかった。だが、一見、その猿芝居は成功したかに見える。多くの日本人が拉致家族の「親子の再会劇」というメロドラマ(「冬のソナタ」現象?)に素朴に感激し、「さすが小泉さん」と感嘆しているようだし、各国の政府やマスコミも、それなりの政治的意図(北朝鮮崩壊を食い止める?)があるとはいえ、好意的にこの「茶番劇」を論評し、報道しているようだ。

 しかし、すでに拉致被害者家族の怒りが爆発しているように、随所に散見される小泉総理の傲岸不遜な政治姿勢がいつまでも許されるはずがない。今回も、小泉総理は、いかにも尻軽な政治家らしく目先の「手柄」と「人気取り」だけに成功すればそれでいい、「あとは野となれ山となれ」という無責任な政治体質を露骨に露呈させた。五人の子供たちの帰国という「手みやげ」をもらう見かえりに膨大な食料支援と、「絶対に対抗措置はとりません」という自分で自分の首を絞めるような不可解な確約をしてきたのだそうである。いったい、死亡や行方不明として切り捨てられようとしている数百人にも及ぶと言われている残りの拉致被害者のことはどうするつもりなのか。まったくこの男の眼中にはないらしい。疑似餌に喜んで飛びつくダボハゼ以下だな。

■「日・朝政府合作のメロドラマ」が隠蔽しようとしいるものは何か。

 さて、蓮池・地村夫妻の家族は全員無事帰国できたわけだが、ここで言いにく いことだが、もっとも本質的な問題の一つを提起しておきたい。
 つまり、蓮池・地村夫妻の家族だけが、なぜ、帰国できたのか、という問題だ。いや、なぜ、多くの拉致日本人が確認されている中で、この夫婦と曽我さんだけが「帰国組」にはいれたのか。彼らの当初の「帰国目的」は何だったのか、という問題だ。蓮池薫氏は、まだ日本の警察の事情聴取も拒否しているらしい。それにしても政府は、なぜ、蓮池氏らへの事情聴取、情報収集に早急に踏み切らないのか。
 蓮池薫氏らが飛行機のタラップから降りてきた時の光景を思い出してもらいたい。われわれはすでにこの問題の本質を忘れようとしているが、蓮池・地村夫妻は(曽我さんも含めて)単なる被害者ではない。
 蓮池・地村夫妻は北朝鮮が、拉致日本人の「一時帰国」という名称の元に日本に送り込んだ「日本人工作員」だったのではないのか。その帰国組のリーダー格が「蓮池薫」氏であったことは誰でも知っていることだろう。彼らはどういう「使命」と「役割」を北朝鮮政府から託され、そしてどういう条件の元に帰国を許可されたのか。
 小生には、彼らの帰国は「日本人妻帰国」の光景と重なって見える。帰国した日本人妻は普通の日本人妻ではなかった。彼らは北朝鮮政府の忠実な「宣伝工作員」としての役割と任務を担って日本に入国・帰国し、そしてその証拠に日本の経済的な繁栄などには目もくれずに意気揚々と北朝鮮へ帰っていった。彼女たちの役割は何だったのだろうか。
 蓮池・地村夫妻の担わされていた役割と日本人妻の担わされていた役割は別物だっただろうか。そんなはずはない。

■蓮池・地村夫妻は単なる「被害者」ではないだろう?

 ここに不思議な事実がある。蓮池・地村夫妻が、記者会見で、曽我さんを含む帰国三家族のことしか話さないことだ。死亡や行方不明と伝えられる拉致日本人についてほとんど言及しようとしない。何故なのか。たとえ社交辞令だったとしても、一言ぐらいは言及するのが当然であり、日本人としてそれが自然だろう。しかし蓮池・地村夫妻は奇妙なことに「被害者」役を演じるだけで他の拉致日本人やその家族については一言も触れようとしない。
 たとえば、「我々家族は子供も含めて無事帰国できましたが、まだ死亡した人や行方不明の拉致日本人とその家族が残されています。ここで我々だけが喜んでいるわけにはいきません。」と、なぜ、言わないのか。いや、なぜ、言えないのか。なぜ、彼らは、他の拉致日本人の動向については全員が口を噤むのか。彼らの中には、「横田めぐみ」さんと同居した経験のある人や、親しく家族ぐるみで交際していた人もいるというのに、である。
 日朝政府合作の猿芝居の主役は蓮池・地村夫妻なのだ。この夫妻が、拉致された日本人の「悲劇の家族」というメロドラマを演じている限り、この問題の解明は進まないだろう。彼らが、北朝鮮で長い間、「日本語教師」だったというならば、仲間の日本人とその家族がたくさんいたはずだろう。今、彼らの脳裏にそういう日本人の姿が浮かばないはずはない。
 北朝鮮で生き延びたのは彼らだけだったのか。他の日本人は、いつ、何処へ消えたのか。知らないはずはなかろう。
 ところで、小泉政権が国民の意思を無視して、どんなに食料支援や経済支援をしようとも、北朝鮮はそんなに遠くない将来に確実に崩壊・解体するだろう。その時はじめて拉致問題は解決し、その真実が明らかになるだろう。戦後の日本共産党に長い間君臨し続けてきた議長・野坂参三が、実は仲間の日本人を次々に密告し、虐殺・処刑に荷担していたという暗い過去の事実が、ソ連崩壊後、はじめて明らかになったように。
 拉致被害家族の悲劇という「日・朝政府合作のメロドラマ」が隠蔽しようとしいるものは何か。小生が言いたいのは、テロ国家から無事帰国した日本人を疑え、彼らの政治的過去を洗え、ということだ。



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●発行者プロフイール●
山崎行太郎 (yamazaki koutarou) 哲学者。文芸評論家。
埼玉大学講師。朝日カルチャー・センター講師(小説教室)
慶応義塾大学文学部哲学科卒。同大学院終了。東京工業大学
講師を経て,現在,埼玉大学講師。著書→『小林秀雄とベルグ
ソン』(彩流社)。『小説三島由紀夫事件』(四谷ラウンド)。
現在→『三田文学』に『季刊・文芸時評』を、月刊誌『自由
』に『平成・文壇・血風録』を連載中。
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